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■身体に自然なかみ合わせとは
本来人間の身体というのは左右対称(シンメトリー)に出来ています。ところが虫歯等で歯を失ったり、何らかの原因で下の顎がずれることがあります。そうすると顎の関節がずれ、頭が傾くことになります。
頭が傾くと首(頚椎)がゆがみ、さらに身体がバランスを保とうとするために腰に負担がかかり身体全体がゆがむことになります。又、咬む筋肉は首や肩の筋肉と互いに緊張しバランスを保っています。かみ合わせが悪いと咬む筋肉のバランスが崩れ、左右どちらかの一方が硬直し血管や神経が圧迫されることになります。それによって連動している首や肩の筋肉のバランスも崩れ肩コリ、偏頭痛やめまい等の様々な症状が出てくるのです。
この様に歯の問題は決して歯だけにとどまることはなく、顔のゆがみ、そしてカラダ全体のゆがみにもつながり全身の健康状態にまで大きく影響してくるのです。本当はこの左右のズレだけではなく、前後・上下どの部分から見てもバランスがとれ、片寄らないことが大切です。
カラダに自然なかみ合わせとは、この筋肉のバランスを保ちながら下の顎を動かすことができ、食べ物を噛み砕いたり(咀嚼)飲み込んだり(嚥下)会話をしたり(発音)することが問題なくできるものだと言えます。
■顎関節症とは
顎関節症とはムシ歯・歯周病につぐ歯科の第三の疾患と言われています。主な症状としては口を開ける時に“カクッ”と音がする、口が開けづらい、耳の下の顎関節周辺の痛みなどがあげられます。
これは顎関節学会のガイドラインによると原因によって次の四つに分類されています。
[1] 顎の筋肉に問題があるもの
[2] 顎の周囲の靭帯に問題があるもの
[3] 顎の関節円板といわれる組織に問題があるもの
[4] 顎の関節の骨そのものに問題があるもの
人間の頭はとても重く、大人の平均は8kg程もあります。下の顎はこの頭と顎関節・筋肉・腱により連結されていて、ここでいろんな運動を行うことは実はとても大きな負担を与えていることになります。このことがかみ合わせのバランスが少しでもズレることによって様々な障害を引き起こす原因となるのです。
■顎関節症はなぜ起こるのか
それではこのかみ合わせのズレはどのような時に起きてしまうのでしょうか?
1つは精神的、肉体的なストレスによるくいしばり(ブラキシズム)などにより顎関節に負担がかかり筋肉のバランスが崩れ、その結果少しずつ咬み合わせがズレてしまい、そのズレによって又くいしばりがひどくなるといった悪循環から起こることが考えられています。
また、虫歯によって歯が抜けた状態のまま放置してしまったり、乳歯から永久歯への生え変わりがうまくいかなかったりしてもかみ合わせが悪くなってしまいます。
そしてもう1つは不適切な歯科治療によるものがあげられます。虫歯治療で1本の歯をかぶせ直しただけでも簡単に咬み合わせのズレは起きてしまいます。又、単に見た目の歯並びを良くするだけの目的の矯正治療はもっと大きくかみ合わせを狂わす危険があります。
これまで日本の歯科治療では顎関節や筋肉のバランスを考慮に入れた「カラダに自然な咬み合わせ」をゴールにした虫歯治療や矯正治療はほとんど行われてきませんでした。顎関節症の発症が、歯科治療を受けている頻度に比例して多くなっていることがこのことを如実に物語っています。
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